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メディカルインフォマティクス株式会社Case Study
連携が容易なSalesforceでマネジメント強化と
パフォーマンス向上を実現
ビズブーストの技術サポートにより追加のシステム構築も可能に
メディカルインフォマティクス株式会社
医療DXディビジョン
デジタルグループ シニアマネージャー
東村 翔太 氏
マーケティンググループ
杉本 早希 氏
※記載の担当部署・役職は、2024年10月取材時の内容です。
SalesforceのCRM/MAを採用した背景と
導入の効果についてお伺いしました。
1 | Salesforce導入前の課題と効果 |
2 | 社内風土の変革を支えるITとしてSalesforceの CRMとMAを導入 |
3 | ビズブ―ストとの協業でSalesforce導入プロジェクトを計画どおりに完遂 |
4 | 問い合わせの未解決率が大幅に減少し案件化率が40%から70%にアップ |
5 | 顧客データの統合化でマーケティング業務も効率化 |
6 | 顧客理解の深化を事業の市場競争力強化へとつなぐ |
1|Salesforce導入前の課題と効果
導入前の課題
問題
- 全部門で社員業務の属人化が起きており、目標と成果の正確な把握と、公平な評価がされづらかった
- 特定の人の負担が増える問題があった
課題
- 事業のさらなる成長・発展に向けて、データに基づき目標に対して正しい手段を追究する組織風土の確立を目指した
- データに基づくマネジメントや業務分析を強化し営業チームやカスタマーサクセスチームのパフォーマンスを向上させたかった
導入後の効果
- CRMとMA、問い合わせフォームの連携により顧客の可視化と顧客理解の能力を高めて風土変革の基礎を築けた
- 営業チームによるセールスリードの案件化率が40%から70%へとジャンプアップ。カスタマーサクセスチームの問い合わせ未解決率が5分の1に
2|これまでもCRMとMAを利用していたが、
異なるベンダーの仕組みのため活用に相当の手間が発生
「 データを起点に」とする社内風土の変革を主眼に、
顧客データの統合性と可視性を高めるためSalesforceの CRMとMAを導入
メディカルインフォマティクスは「在宅医療の未来を、デジタル技術と人の力で共創する」ことを自社の存在意義としながら、在宅医療の支援に特化したサービスを提供する企業です。設立は2002年。首都圏を中心に24の在宅医療施設を展開し、9,000人を超える患者をサポートしている医療法人社団 悠翔会を母体としながら、成長を遂げてきました。
今日では「コンサルティング」「デジタル」「アウトソーシング」「キャリア開発」という4つの領域のサービスを主力の事業として手がけ、デジタルサービスとしてクラウド型の電子カルテシステム「homis」などを提供しているほか、アウトソーシングサービスとして在宅医療専門のコールセンター「Okitell365」やレセプト代行サービス 「レセサポ」を展開。キャリア開発のサービスとして、 在宅医療専門の医師求人サービス「在宅専科」や、在宅医療に関心がある医療者へ向けたメディアサイト「在宅医療カレッジ」の運営も行っています。
同社では2023年に現社名に名称を変更し、新たなスタートを切っています。その流れの中で力を注いでいる1つが、デジタル技術とデータによって社内風土を変革することです。その取り組みを推進する同社 医療DXディビジョン デジタルグループ シニアマネージャーの東村翔太氏は、こう説明します。
「当社は従来、悠翔会を母体にしながら、同会に対するサポート業務を中心に安定した収益を上げてきました。そのためか、営業・マーケティングのパフォーマンスをデータで可視化して改善に活かしたり、定量的な数値目標の達成に向けて業務のあり方や顧客との関係を適正化したりする事業会社で当たり前の、成長と成果を追究する風土が弱かったです。 企業としてのさらなる成長と発展を遂げるには、そうした状況を打開し、データを起点に物事をブラッシュアップするような文化を築いていかなければなりません。その実現に向けた第一歩といえるのが 業務の見える化で、そのための取り組みを進めています」
この取り組みの一環として、同社が着手したのがCRMとMA(マーケティングオートメーション)のプラットフォームをSalesforceへと 統合させることです。東村氏は、その背景理由について次のように説明します。
「当社はかねてよりCRMとMA とプロジェクト管理の3つのツールを使っていましたが、それぞれが異なる システムベンダーの製品でした。そのため、システム横断でデータを統合し、活用するのに相当の手間がかかっていました。このようなことでは、顧客を立体的にとらえて理解したり、顧客の成功から逆算した行動にコミットしようという、社内風土の変革につなげたりすることは困難です。そこで3つのシステムを、 SalesforceのCRMとMAソリューション『Salesforce Marketing Cloud Account Engagement』へと移行し、顧客データ 、業務データの統合性と可視性を高めようと考えました」
3| 外部システムとの連携が容易なこともSalesforce選定の決め手に。
システム構築は、Salesforceの技術に通じ、我々の要望を柔軟に1つ1つ応じてくれるビズブーストを選定
同社では2024年5月からSalesforceの導入プロジェクトを始動。システムを2カ月で構築し、2024年9月から本番運用を開始しました。
CRMやMA製品はSalesforce以外にも数多くありますが、その中で、Salesforceを選んだ理由について東村氏はこう述べます。
「Salesforceには、外部システムとの連携が容易に図れるという強みがあります。例えば、今回のシステム構築では、Salesforceでの請求処理を合理化する目的で、入金消込などを自動化できるクラウドサービス『メイクリープス』との連携を図りましたが、その作業はとても簡単でした。このように機能拡張が柔軟に行えて業務処理のハブとして機能できる製品はそうはなく、そのことがSalesforceの選定につながりました」
また同社はSalesforceの導入にあたり、システム構築のパートナーとしてビズブーストを選んでいます。その理由を東村氏は次のように説明します。
「ビズブ―ストはSalesforceの技術に通じている上に、サービス提供のあり方が柔軟で、顧客の要望に1つ1つ応じるかたちでサポートしてくれます。同社には今回、FAQサイトの仕組みづくりやサポート満足度アンケートの追加に加え、問い合わせフォームとSalesforceとの連携を含む、さまざまなシステムの構築に携わってもらいました。また、当初の計画にはないシステム構築にも柔軟に対応してもらっています。 このような柔軟な対応をしてくれるベンダーは少なく、それがビズブ―ストを選んだ大きな理由となりました」
そんなビズブ―ストの支援もあり、システム構築の作業は淀みなく進み、導入プロジェクトを計画どおりに完了しました。
4|問い合わせの未解決率が大幅に減少し案件化率が40%から70%にアップ
メディカルインフォマティクスでは現在、Salesforceを営業のマネジメントや請求処理の合理化などに役立てているほか、カスタマーサクセスチームの業務分析にも使用しています。また、CTI機能を通じて顧客からのコールを受け付ける業務にもSalesforceが活用されています。
そうしたSalesforce活用の効果として、東村氏がまず挙げたのは、カスタマーサクセスチームによる問い合わせの「未解決率」が大幅に減少したことです。
「Salesforceによって、カスタマーサクセスチームの元に寄せられた問い合わせの状態が可視化されるようになり、結果として、顧客の問い合わせが未解決のまま終わるケースが大幅に減っています。導入前と比較して、案件の未解決比率が従来の5分の1に削減されました。また、当たり前のことですが、顧客の期待値を満たせたかどうかによりコミットできる体制にしています。現在のサポートに対するアンケート送付も自動化し、常にサポートの満足度が定量化できるようになっていますので、CSでもよい対応に関する意識がつきました」 (東村氏)
「Salesforceによる営業のマネジメントによって『案件化』の概念が現場に定着しました。これにより、セールスリードや見込み客からの問い合わせを、しっかりと案件化しようとする現場の意欲が高まり、結果として平均の案件化率が70%となり、2023年の平均値(40%)からジャンプアップしています。受注率の前に案件化率をKPIに置くことで、見込みの浅い案件もしっかりコミットさせようという能動的な意識がつきはじめています」 (東村氏)
Salesforceによる顧客ニーズの可視化によって複数のプロダクトをセットで販売しようとする営業の動きも活発化したようです。これにより、プロダクトのセット率(顧客1社に対して、いくつのプロダクトを販売したかを示す指標)も2023年の「1.2」から「1.5」へと上昇しているといいます。
さらに東村氏は、Salesforceの売上予測機能を高く評価しています。
「売上予測機能を使うことで、案件ごとのセールスステータスが見える化され、商談が予定どおりに進んでいない案件の検知と、 停滞している商談の追跡が効率化されます。当社の営業チームのメンバーはすでに、この機能を使ったセルフマネジメントを行い始めています。これは、属人的な経験と勘に頼ってきた営業組織の風土がデータドリブン型へとガラリと変容したといえるような変化です。今では活動を目的においた営業思考から、顧客との合意形成を目的においた営業思考に切り替わり、手段が目的化しない営業スタイルに切り替わりました。今まで感覚的なヨミを報告していた営業会議でも、『これは顧客の意思決定の基準を満たせているか?』といった会話が話されるようになりました」 (東村氏)
5|顧客データの統合化でマーケティング業務も効率化
顧客理解の深化を進め、マーケティング施策の的確性向上に期待
また、Salesforceによる営業の進捗の見える化とマネジメントによって、セールスリードの案件化率も大きくアップしているようです。
一方、Salesforceの導入は、マーケティング業務の効率化にもつながっています。この効果について、メディカルインフォマティクスで マーケティンググループに所属する杉本早希氏はこう指摘します。
「これまで問い合わせフォームや営業チームが使うCRMと、マーケティングチームが使うMAのシステムが連携しておらず、ターゲティングメールを送る際には、メールを配信する顧客のデータを集めてMAにアップロードする必要がありました。Salesforceと問い合わせフォームの連携により、メールの送付先リストの収集・アップロードの作業が自動化・効率化されています」
また、Salesforceの導入により、顧客への理解が深まっていると話します。
「Salesforceの導入により、オンラインフォームから問い合わせをかけてきた人が、当社のプロダクト(サービス)とどのようなかかわりを持っているのか、当社のWebサイトのどのページを閲覧した上で問い合わせに至ったのかが即座に見えるようになりました。これにより、顧客のことをより詳細にとらえ、ニーズへの理解が深まっていると感じます。この理解によってマーケティング施策の的確性は上げられるはずです」(杉本氏)
6|顧客理解の深化を事業の市場競争力強化へとつなぐ
杉本氏は今後、Salesforceを活用したマーケティング活動をさらに推進し、施策の効果測定をはじめ、シナリオメールの活用や顧客分析を通じて、より効果的なアプローチに取り組むことを目指しています。
さらに、東村氏はSalesforceの活用を通じた顧客の可視化と理解の深化を自社の市場競争力強化へつなげることを構想しています。
「在宅医療の市場はニッチですが、市場が成長しており、ゆえに競争には厳しさがあります。加えてhomisなどの当社のデジタルプロダクトは元々積極的な外販ができていなかった点もあり、後 発のサービスでもあります。そうした中で差別化できるポイントは2点あると思っており、それは独自性のある『プロダクト』と『サポート』です。特にサポート強化については、Salesforceを大いに活用し、顧客解像度をあげた上で、我々の複合的なプロダクトを組み合わせ、プロアクティブで満足度が高いサポートができれば、それが競争優位の源泉になると思います。まだまだやれることは山ほどあるので、さらなるオペレーションエクセレンスを構築のため、ビズブ―ストの力も適宜お借りし解決していきたいと考えています」(東村氏)
メディカルインフォマティクスは、ビズブーストのこれまでの柔軟な対応に満足しており、今後も新たな課題や挑戦が生じた際には、Salesforceの専門知識を活かした適切なアドバイスとサポートをビズブーストに期待しています。同社は、この支援により競争の激しい市場環境の中でも大きな成果を生み出せると確信しています。
メディカルインフォマティクス株式会社
https://mics.tokyo/
在宅医療の経営と診療支援をハンズオンで15年間取り組んできました。その経験知をコンサルティング、デジタル、アウトソーシングのサービスへと昇華し、医療経営のオペレーション変革に伴走します